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2024.08.05

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お盆は逆さ吊り?!

もうすぐ世の中はお盆休みですね。

きたの鍼灸院整骨院です。

 

と、当たり前のように『お盆』と言っていますが、

『お盆』の意味や内容って具体的にどういうものかご存知ですか?

最近では、後継者の問題で墓じまいをしたり、コロナの影響で法事も縮小化したりと、昔ながらの行事も減ってきていて、昔からの風習や伝統など、実は知らないことがとっても多いのではないでしょうか?

それでも、未だに世の中の夏休みを『お盆休み』なんて呼んでいますよね。

ではその『お盆』とは??


★お盆の語源 

「お盆」は、仏教における「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、または「盂蘭盆(うらぼん)」を略した言葉とされています。語源は、サンスクリット語の「ウランバーナ(=逆さに吊り下げられた苦しみ)」だそうです。

お釈迦様の弟子のひとりである、目連(もくれん)という僧侶の伝説に基づいて、このように呼ばれるようになったといわれています。

 

 

★お母さんを救いたかったお釈迦様の弟子

お釈迦様の弟子の一人に、神通力第一といわれる目連尊者という弟子がいました。

その目連尊者のお母様は生前、目連尊者をとてもかわいがった優しいお母様でした。

ある日、目連が自分の神通力で亡くなった母親の姿を見たところ、母親は餓鬼の世界(餓鬼道)に堕ちており、逆さ吊りにされて飢えと渇きに苦しんでいたそうです。

この餓鬼道は生前、人にやさしく接さずに自分の利益になることに貪欲、ケチだった人が向かう世界で、そこに堕ちた人達は飲み物も食べ物も、目の前に出てきても食べようとすると蒸発したり灰となって食べられず、欲しいという欲望だけが募り苦しみ続けます。

目連の母がこのような世界に堕ちたのは、目連という愛しい子を愛するがゆえに、周りにケチになったことが原因だそうです。

母親を救おうと、神通力で食事や飲み物を送っても、目前で灰と化してしまい、凶器となって母親をさらに苦しめてしまうことになります。

嘆き悲しんだ目連尊者がお釈迦様に、何とか母親を救いたい、と相談したところ、自分の力は母親だけのために使うのではなく、同じ苦しみを持つすべての人を救う気持ちを持つようにと諭され、夏の修行を終えた7月15日に僧侶たちを招き、供物をささげて供養するとよい、という教えを受けます。
これに従って供養したところ、その功徳によって母親は極楽往生を遂げたと言われています。

 


★仏教と日本古来の風習

日本には、仏教が伝来する以前から、祖神、ご先祖様、という祖霊信仰があったといわれており、この考えは後の神道、神社の神様の教えの元となる一つとされています。

供え物を載せる容器を日本の古語で「ボン」と言ったことから盆になったという説もあり、お盆は日本に古くからあった祖霊祭の名残であろうとも考えられています。

祖霊信仰は縄文時代、弥生時代から行われていると考えられております。しかし、他の宗教のように教祖がいたわけではなく「自然発生的に生まれた信仰」です。

先祖が開いた農地に植えた稲作が育ち、先祖への感謝が生まれ、何も災害がなかったことに太陽や雨という自然物への感謝が生まれるようになります。その考えが徐々に広まると、祖先を祀る働きが生まれ自然と「祖先信仰」が人々の日常の中に生まれたと言われています。

 

日本に盂蘭盆が伝わったのは7世紀頃。仏教が伝来した際に、日本独自の祖霊信仰と盂蘭盆の教えが融合し、現在のお盆になったのではないかといわれています。

盂蘭盆は、始めは宮中の法要行事として普及し、その後貴族や武家社会へと広がりました。鎌倉時代になると民衆の間にも先祖のために法要をするという風習が根付き、江戸時代に入ってからは、迎え火や送り火の法要も行われるようになったといわれています。

『お盆』は『盂蘭盆』という仏教の行事から来ているだけではないようです。

きゅうりナス

★茄子と胡瓜

 お盆のお飾りといえばキュウリとナスを思い浮かべるのではないでしょうか。

あれは、馬と牛に見立てた飾りで、

キュウリが馬で、「精霊馬(しょうりょうま/しょうりょううま)」といい、

ナスが牛「精霊牛(しょうりょううし)」といいます。

ご先祖様の霊(精霊)の乗り物だそうです。

きゅうり()の飾りは、ご先祖様の霊を家にお迎えする乗り物。

馬は足が速い動物ですので、ご先祖様の霊を一刻も早くお家にお迎えするという意味を込めて、きゅうりで精霊馬を作っています。

なす()の飾り物は、ご先祖様の霊をあの世までお送りする乗り物。

牛は足が遅い動物ですので、ご先祖様の霊が、少しでも長く私たちと一緒に居られるようにという意味を込めて、牛で精霊牛を作っています。

 

しかし、地域によっては、全く逆に捉えるところもあるそうです。

お盆のなす()は、ご先祖様にゆったりとした道中で家まで帰ってきていただきたいという意味を込めて、逆にきゅうり()はご先祖様に急いで帰ってもらうためと考えるバージョンもあるのだとか。

『ゆっくり着て早く帰ってね』とはまた何とも正直な...。

 

それから、なすは、お送りするための牛を意味するが、込められた意味はゆっくりと帰っていただくためではなく、たくさんのお供え物をお土産として持って帰ってもらう際の荷物をたくさん運べる牛を意味するなどと言われたりもするそうです。

 

意外と知ってるようで知らない事、日本の文化や風習って結構複雑ですよね。

たまにはそんなことに触れてみるのもいいかもしれませんね。

 

というわけで、今回は、『お盆』についての小話でした。

皆さんはお盆休みはどこかにお出かけですか?

 

きたの鍼灸院整骨院は、お盆も休まず診療しています。

レジャーで目いっぱい楽しんだ後は、身体のケアに。お待ちしております。


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