ペットボトル症候群
まだ6月だというのに、最高気温30度なんて日が当たり前のようにありますね。
こんなに暑いと熱中症が心配で、水分摂取をこまめしないといけないのですが、
コンビニ等でスポーツドリンクを買って、ゴクゴク飲んでしまう人も多いのではないでしょうか?
だいぶ前、1990年代に1日に2~3リットルの清涼飲料水を飲み続けた高校生が、
意識障害を起こして救急搬送されたことによって有名になった、
ペットボトル症候群をご存知ですか?
正式には清涼飲料水ケトアシドーシスといい、急性の糖尿病です。
◎ペットボトル症候群とは?
清涼飲料水には私たちが想像するよりも意外に多くの糖分が含まれているものが多いです。
それを日常的に多く飲んだり、夏場の暑い時期、一度に大量に飲むなどすると、身体は急激な高血糖になります。
するとまた喉が渇いて清涼飲料水を飲む、ということを繰り返して、さらに高血糖となってしまい、
最後には血糖をうまく細胞の中に取り込めなくなって、ケトーシスを引き起こします。
ケトーシスとは、ケトン体と呼ばれる代謝成分が血中に増加することで引き起こされ、腹痛や吐き気、嘔吐などの症状がみられるものです。
◎ペットボトル症候群の発症のメカニズム
具体的にどのように発症するかというと、
①甘い清涼飲料水やスポーツドリンクを飲みすぎると血糖値が上がる
↓
②濃くなった血液を薄めるために身体は水分使って尿として排出
↓
③その結果身体は脱水状態となり、喉が渇いてまた清涼飲料水を飲む
↓
➃また血糖値が上がって①から③を繰り返す
↓
⑤大量の糖分をエネルギーに変えるためにインスリンの分泌を必死に行って膵臓が疲弊する
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⑥インスリン分泌が著しく低下する
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⑦糖分をエネルギーに変えられないので代わりに脂肪を分解してエネルギーに変えようとする
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⑧脂肪を分解するときにケトン体(酸性物質)が作られる
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⑨脂肪分解によるエネルギー生成が多くなり、ケトン体が体内にどんどん蓄積される
↓
⑩血液が酸性に傾く(本来は弱アルカリ性)
↓
⑪倦怠感、腹痛、吐き気、嘔吐、意識がもうろうとする→ペットボトル症候群になる
以上がペットボトル症候群のメカニズムです。
つまり、糖分の多い飲み物を飲みすぎて血糖値が上がって喉が渇いて、また飲んでという悪循環とともに、
血糖値が高い状態であるにも関わらず、糖をエネルギーとして使うことができないため、身体は糖が不足していると誤解して、
血糖値を上げる作用のあるホルモンを分泌させてしまい、これにより血糖値はさらに上昇し、
多飲多尿などの高血糖症状が進行するという悪循環がおこって、
上記に書いた症状や、最悪の場合は昏睡状態に陥って命の危険がなんてことになるのです。
◎ペットボトル症候群にならないために
WHOでは一日の砂糖の摂取量を25gまでにすることを推奨しています。
500mlのペットボトル1本には30~50gの砂糖が含まれてるものが多く、
ジュース一本で簡単に一日の摂取量の上限を超えて取り過ぎになってしまいます。
ですので、水分摂取には水やお茶を飲むようにして、糖分を取りすぎないようにしましょう。
熱中症対策には塩分とお水をとるようにして、スポーツドリンクを飲みすぎないように。
また、短時間にまとまって水分を摂取すると、体内へあまり吸収されず、排泄されやすくなるといわれています。
そのため、水分補給をするときは、1回にコップ1杯程度(150~250ml)の量を1日に6~8回程度飲むようにして、
一度にたくさん飲むことは控えましょう。
それから、ケーキやプリン、甘いお菓子や缶詰の果物なども糖分が多いので、食べ過ぎは要注意です。
というわけで、これから益々暑くなる日々を迎える前に、
一度、飲み物だけでなく、食生活全般を見直してみるのもいいかもしれませんね。
そして夏バテしない楽しい夏を過ごせたらいいですね。